内田センセイは結局、「負け犬」の言っていることは一見もっともらしいが長期的展望に欠け、最終的には社会に害悪をもたらすという結論に達したらしい。日記の文章はまわりくどいが、翻訳すると「社会から子どもがいなくなったら君達も困るでしょ。わがまま言ってないでさっさと結婚して子どもを生みなさい。それが倫理というものです。」と言っておられるようだ。おっしゃることはもっともですね。
社会に子どもを供給するために、産む人だけでなく社会の構成員のほとんどが、自分も相応のコストを支払うことに賛成してくれれば、子どもを産む人は増えるだろう。つまり私達は、子どもを産むという行為に関して、いつのまにか社会との間で取引状態に入ってしまったのだと言える。いや、ずっと昔からそうだったのだけれど、値段がつり上がってしまったのか。
そんな自覚は誰にもあまりない。人生の重大な転機というのはだいたいが「なりゆき」で決まるとみんな思ってる。でも「なりゆき」というものも分析してみれば結局は社会状況と個人的事情との確率論的ミックスでしかないのだ。

2004年の2月8日の日誌にこう書いていた。最近のニュース絡みで思い出して気になってたので発掘。
今だったらこう書く。

ではあなたの役目は?

あるいはまた

いっそ機械になれたらいいのに。

いやほんと、与えられた役目を果たすだけで一生を終えられたなら、幸せだろうな。