県北の山でキタカミトリカブトが満開、という読者からの知らせを受けた新聞記者さんから電話。キタカミトリカブトというのは図鑑にも載っていないけれど、その名前で合っているか?という御質問。キタカミトリカブトの名前については調べられるけれど、写真では同定できないので正確な情報が必要なら現物を下さい、と答える。
キタカミトリカブトに付けられた学名は裸名。1960年代に「北陸の植物」で斉木&細井が発表したことを、70年代の県の報告書で村井三郎氏が書いている、ということを確かめる。「北陸の植物」は手に入らないが、次に門田先生のモノグラフを読むと、だいたい分かった。「キタカミトリカブト」とされた標本群は、複数種の混合で、一つの種とは認められない。今回のは、センウズモドキか、ウゼントリカブトか。
良い機会なのでついでに、以前に別の人から訊かれた質問について、答えを整理する。岩手県にあるトリカブトの見分け方。亜種も含めて、3種ある。頭の中は整理されたが、伝えるためには手紙を書かなくてはいけない。
ちなみに、キタカミトリカブトで検索すると、当館のウェブページがトップに出てくる。解説文を書いた人が、上記の県の報告書を引用した結果、そうなったわけ。