やっぱりいい加減に見ていたということが分かりました。解説ではちゃんと「精子に含まれる遺伝子の命令で胎盤が作られる」と言ってました(つまり父親由来の染色体に乗っている遺伝子です)が,ここを完全に聞き逃していた。さらに,言葉での説明はないものの,アニメーションでは常染色体がハイライトされて,Y染色体は関係ないことが視覚的に分かるようになっている。ですが,直前までY染色体の話をしているせいで,見る人が誤解しやすい構造になっている。ブログ検索でも,この点を誤解している記述がいくつも見つかりました。
本来は「Y染色体がなくなる→(オスがいなくなる)→胎盤形成ができない」という論理構造なんだけど,真ん中のステップの説明が少ないため頭の中で飛ばされてしまい,後で論理を再構成する時に,胎盤形成にY染色体が関わっているかのように勘違いしてしまうのだ。番組の構成上,解説をとばさないと複雑になりすぎるから,省略しているんだろうけど。論理の構成って面白い。
Y染色体が個体群から消えたら,個体群はどうするか。まあ何とかやっていくんじゃないか。すぐに思い出すひとつの解答が「ヒューストン」でしょうか。でも普通はあそこまでは必要なくて,ゲノムインプリンティングの問題さえ解決すれば大丈夫なんじゃないだろうか。