御出身は,と訊かれて東京ですと答えると,東京のどちらですか,とさらに訊いてくる人は主観的には全体の2割である。そこで実家は練馬にありますと答えるが,その後が実のある会話になることはまず1%もない。うちのは杉並なんですと言われたところで,ああそうなんですかと答えるしかない。「練馬です」に対し「うちは江古田です」あるいは「鶴川です」に対して「うちは柿生ですよ」と来れば,多少は会話もはずむことであろうが,東京出身者にあって地元トークとは,かくも成立しにくい微妙な話題なのである。
なかなか,大沢川原です,では中学は下の橋ですか,というわけにはいかないんだよね。