音楽をやりたいという情熱がなくなって、もう2年以上経つ。いつやめてもいいのだけれど、しがらみがあって完全にはやめられない。続けるのであれば、せめて少しは動機付けになるものを、と思って、一番好きな曲を選んで弾くことにした。
で、自分が一番好きな曲は何だろうと真剣に考えると、不思議とフランクのソナタに戻ってきてしまう。どうしてこの曲だけがそんなに好きなのか、自分では全然分からないけど、大学でもこれをずっと弾いていた。この曲だけは何度弾いても感動する。本当に不思議だ。
一番好きな曲を選んだことはそれなりに正解で、全くやる気が起きないながらも、弾いてみればやはり少しは気持が動くので、もう少し弾いてみようかという気になる。これが好きな曲でなかったら、もうとっくにやめていると思う。まあ、別にやめてもいいのだけれど。

なぜ情熱がなくなったかというと、自分にとって音楽は全くの道楽に過ぎないからだ。もちろんそのことは前から分かっていたのだけれど、その純粋な道楽に時間を費やすのがもったいなくなったのだ。音楽というのも刺激物の一種なので、摂取し続けていると中毒するが、完全に断ってしまえば無くても全く困らない。