午後から大矢邦宣先生を偲ぶ会に出席。
12年前、大矢先生の博物館勤務の最後の年が、私が博物館に就職した年にあたる。先生には、毎日でも良いからとにかく調査に出て岩手のことを知れと言われたことを覚えている。先生御自身は、博物館に来て数年で全ての市町村を周ったとよくおっしゃっていた。まあ実際のところは、開館した頃とは状況が変わっていたので、私は毎日のように外に出るわけにはいかなかったのだけれど。
先生が退職する少し前、年度末も押し迫った夜に私が一人で残業をしていると、荷物整理をしていた先生が食事に誘って下さり、近所のお寿司屋さんへ行って御馳走して下さった。色々なことを話して、助言もいただいたはずなのに、中身を思い出せない。当時の私にはうまく理解できなかったのかもしれない。
あとはコンサートキャラバンの時。岩泉のコンサートが終わった夜に、ロストロポーヴィチの隣でニコニコしていた先生の顔を思い出す。御病気になられてからは、お見舞いに行ったら、病室にノートパソコンとWiFiを持ち込んで、原稿を書いておられた。「僕はもうやりたいことは全部やったから、いつでもいいんですよ」とよくおっしゃっていた。