生態学会仙台大会の感想などなど。
20日は公開講演会の後で初めて代議員会に出席。14個も委員会があり、それぞれから報告があるので、それを聴くだけで2時間以上が経過。検討事項も多くて、3時間の会議でも時間いっぱい。こりゃ大変だ。ちなみに代議員になったのは、先日の選挙によりたった8票の得票数で地区会の中で次点となり、さらに当選した人の辞退によって繰り上げ当選してしまったからである。不運なり。

研究発表は今年12月のテーマ展準備のために、津波影響関連の発表を中心に聴いた。津波影響関連は、5年も経ってだいぶ全体像が見えてきた。個々の事象としても興味深いことが多くある。三浦さんのホソウミニナの話P2-373は面白い。浦ごとに生き残り個体を元にして個体数が徐々に回復中、浦の間に遺伝的交流はほとんどなく外からの新規加入はなさそう、というのは、ベントスでも幼生期に浮遊生活をする種で言われていることとは大きく異なっているのではないかと思うのだけれど。
そのほか訪花昆虫関連のポスターがとても楽しかった。ヒメマルハナバチが高山帯に営巣しているらしいことを示したP1-117中村さん、高山帯のハエ目がちゃんと送粉者として機能していることを示したP2-183日下石さん、高山帯では開花フェノロジー構造が亜高山帯以下とは異なっていることを示したP1-137水永さん、などが印象に残っている。力技のフィールドデータとシャープな解析の組み合わせ。

集会は保全政策関連を中心にいくつか。全体的に、震災復興工事関連を中心として、保全の場での生態学者の敗北感が非常に大きくなっている、ということが強く感じられる大会だった。だからこそ「教訓」とか「次に備えて」とかの言葉が出てくるのだし、政策の場に生態学者が参画するには、あるいは保全にとって効果的な政策を実現するには、ということが、危機感と焦燥感を伴って議論されている。

続きはまた後日。