昨日、某鳥類研究所からありがたくもCuisin(1988, 1968)が届いたので、昨夜はそれを解読。欲しかった情報がちゃんと載っていてすばらしー。図表のレジェンドは仏・英併記、長めのSummary(英語)もついていたし、専門用語はほぼ共通、文法はもう忘れているけど科学論文はもともと文章がひどく単純なので、想像していたほどには困らなかった。分からないのは木のフランス語名で、だいぶ英名と違う。仏和辞典をひきひき。あと英語の専門用語でも英語論文では見たことないぞというようないかめしい単語が結構出てきた。biocenosisとか。communityじゃだめなの?同じ意味の単語の中からどの語を選ぶかという場面になったときに、日常的な語感との近しさが影響するのかもしれない。たぶん。
結局読んでみて分かったことは、北海道でのやつらの営巣特性が北欧のそれと似ているのと平行して、本州のやつらは西欧のブナ林に棲むやつとほぼ同じことをしていたんですよ!大陸の西端と東端より、地理的に近い北と南の方が違いが大きい。今までは、なんで本州のは北海道のと違うんだろうと手がかりもなしに不思議がるだけだったのが、棲んでいる林の主要構成樹種によって営巣特性が変わるということが見えてきたので、より問題がクリアになったわけ。でもなんで?おもしろーい。Cuisin(1988)を読んだ人はたぶんほとんどいないと思うけど、本州でLe Pic noirを研究するなら真っ先に読むべき内容でしたよ。てなわけで今日も急ぎの論文に邁進するので、ポリネータの論文解読はまだ後回し。