「森と水辺の甲虫誌」(丸山宗利編著・東海大学出版会)を電車と飛行機の中で読む。面白いです。「甲虫」というくくりでまとめた意図は成功しているような気がする。幻の種とおぼしきモノをたまたま採集してしまい「ともかく全身の毛が逆立つ状態で、」その足で先生のもとに向かった、というようなエピソード、昆虫学者のこういうところに憧れるんだー。
身の回りの生き物について我々の知らないことがどんなに多いか、ということが分かる。それこそが自然誌の面白さであり魅力なのだろうなと思う。つまるところは、自然界ではどんなに不思議なことが起きているか、人間はどうやってその謎を少しずつ解き明かしてきたかということを伝えるのが自然誌の仕事か。
でも昆虫少年に読ませるには、ちょっと文章が硬いところが多いのではないかなあ。あと、けっこう目立つ誤植があって惜しい。