得になる投票行動

投票行動についてなんですが。id:rucciさんの「私が得をできる政党って一体どこなんだろう」という問いかけは新鮮だったので考えました。「得」っていうのはたぶん金銭的利益だけを指しているわけじゃないんですよね。それを含みつつ「よりのびのびと自分の生活が送れる」という意味に解釈しました。で、得になる政党が分からないのは、どれを選んでもあまり違いがないように見えるのと自分の立場が分からないことの両方に原因があるというのがrucciさんの分析(で合ってるかな)。
私も自分の立場がどこなのか分かりませんが、今の複雑な状況では、自ずと分かるようなものではないだろうと思います。ただ、少なくとも向こう(候補者や政党)から自分宛てだと感じられるメッセージが来れば、ひょっとして自分の立場はこっちか?いっちょ入れたろか、と思うでしょう。
でもそういうメッセージが少ない。全部、違う立場の人にあてたメッセージのような気がする。たぶん、私はターゲットにされていないということなんだろうなと思うわけです。それは向こうの分類・分析において自分のような人間が少数派だからなんじゃないかと、そういう推測です。「われわれ」と言ったのは、たとえば30代・専門職・さほど余裕もないが貧窮もしていない層、というような意味です。ついでにそもそも年金なんてあてにできない。たぶん投票率も低いでしょう。そういう層にあえて支持を訴えるような選挙ではなかったということだろうと思うわけです。
年代・性別・職種・年収などによって投票行動が決まっているかどうかは分かりませんが、少なくとも戦略を立てる側はそう仮定して、票を集めたい層をターゲットにしぼった戦略を立てているでしょう。60代以上かそれ以下か、自営業かサラリーマンか公務員か、お金持ちか中流か貧窮しているか、どういう土地柄に住んでいるか、というくらいのおおまかな分け方でいけば、たぶん傾向ははっきりと出ます。
下の政治ポジションテストの結果を眺めるだけでもいろいろ面白いです。
http://seiji.yahoo.co.jp/guide/position/index.html
例えば今回の選挙において民主党の宣伝は、中流以下・中年以上の人に向かって相当強いメッセージを発していたように見えます。つまり年金をあてにしていた層ですが。年金の話がこんなに大きくならず、もし「9条選挙」だったり「消費税選挙」だったりすれば、話が違っただろうと思います。


ついでに言えば今の日本で政党を「保守/リベラル」で考えるのは難しいですね。色々な問題が入り乱れているから。まあ厳密に言えば30代で女性で専門職ってだけで自動的に「保守ではない」ということになりますが。だって「早く仕事を辞めて家庭に入れ」って言われたら「いや、私にも都合ってものがありますので」って思うでしょう?それをリベラルっていうらしいですよ。