「くらやみの速さはどれくらい」(エリザベス・ムーン小尾芙佐訳、早川書房)読了。すごくおもしろかった。原題を素直に訳せば「暗闇の速さ」。日本語版のタイトルは気を引くのが上手い。
読んでいる間、主人公に同化してしまい、ふつうの人の持つ能力が自分には欠けているような気がしてかなり怖かった。文体もうつりそうだった。
焦点となる人体実験の真の意図が、自閉症の治療ではなく宇宙開発に関係しているようなことがとびとびに書かれているのだけど、結局よく分からないまま終わってしまったような気がする。再読したい。