幼年期の終り」(福島正実訳、ハヤカワSF文庫)読了。ううむこれは・・・考えうる限りで最悪の暗黒未来ですな。こう来るとは予想していなかった。
でも、すごく面白いアイデアがいくつもあったな。きっと、これが1953年に書かれたということが重要なんだろう。
宇宙に出かける男が「カメラのフィルムをどっさり持った」というのがおかしかった。精神が肉体を捨てる話は書けても、カメラがフィルムを捨て去ることは考えつかないものなのかと思うと。
翻訳はとにかく滑らかで素晴らしい。最近の翻訳文体からするとやや格調が高すぎる感もあるが。