コノハムシの標本を見て、「本物?」「いや違うでしょう」という大人たちがいる。子どもたちも、剥製を見てはひとつひとつ「本物?」と訊いている。よくある光景だ。その度に、頭をひねってしまう。これが本物以外の何に見えるのだろう。たぶん「本物」の概念が、異なっているのだと思う。 彼らの言う「本物」って、いったい何のことなんだろうね?
確かにコノハムシなんて、あまりに精緻で虫っぽくなくて、「よくできているな」「造り物みたいだ」と感じる気持はよく分かる。でも、もしあれらの標本が本物でなく、造り物だったら、とても10万円じゃきかないぞ。変な言い方だけど、本物だから、標本はタダなのだ。