生き物が好きでいろいろ詳しい人でも、仕分けて名前をつける作業、つまり「分類」とは具体的にどういうことを行う作業なのかを知らないことがある。そもそもその分け方は正しいのか?(それ以前に正しいとは何なのか?)と問うところから作業が始まるということが理解されていない。あるいは、理解はしているが、自分の行うべき作業だとは考えていないのでしょう。名前は所与のものと考えたいわけです。だから彼らは決して「こういう説もあるが違う説もある」という答えに満足しないし、「種Aと種Bの変異は連続的である」という言葉を忌み嫌う。生物が好きなのに、分類学にまったく関心がない。
これは根の深い問題で、多くの人を悩ましていると思われる。一般人ならともかく、生物に強い関心のある人までこういう状態だというのはあまりにおかしい。ここまでくると、さすがに専門家が普及努力不足の責めを負うべきだろうと今日は思った。分類学がどういう学問かについての自分の見解を、分かりやすくかつ面白く、完全素人むけに日本語で説明した分類学者って、いますか?同業者に喧嘩売ったり挑発したりするのでなく、誠実に自分のワクワクを伝えてる人。