16時少し前に終わったので、本郷キャンパスに寄って、博物館の展示を見た。
1時間あれば十分だろうと思って行ったのに、全然足りなかった。すごく面白い。テーマと空間と「あの」見せ方が上手く一致していて、本当に美しい。おすすめ。
武蔵石壽の、半球ガラスでカバーされた日本最古の虫の標本。絵図も博物画も素晴らしい。東大にエジプトのミイラがあるとは知らなかったなあ。知識があれば、目玉は明治維新前後の日仏交流に関する新出資料なんだろうけど、知識がないのでちょっともったいない。
観覧客の1人に初老の男性がいて、絶えず独り言をぶつぶつ言っていたと思ったら、出る頃になって監視ボランティアの人を呼びつけていわく、暗くてガラスに額をぶつけた、危ないから印を付けろ。ライトスタンドにもぶつかった、危ないだろう。事典を裸で展示しているが触られたらいけないだろう、なんとかしろ。ところが、監視の人も初老の男性で、きっぱりと「館が悪いのではなく、お客様もぶつからないように注意をして下さい」と応答、最後まで謝罪しなかった。心の中で拍手。クレームおじさんはよほどおさまらなかったらしく、建物を出てからも入口をにらみつけ、おでこをさすりながら「馬鹿野郎」と大きな声でののしっていた。
改めて思ったのですが、東大の展示は「わきまえた大人」のためのものなんですよね。展示手法は美的効果が優先されているので、わりと無防備なところもあるし。一般の博物館ではなかなかできないでしょう。ああいう「わきまえない」人が入り込むリスクをどの程度見積もるか。