「大奥」第6巻。
なんというか、怖いですね。ここから何をやろうとしているのか、つかめそうでつかめない、不気味な感じがいたします。1巻ずつ、描いていることが違う。
あのー、大変遅まきながら、6巻を読んで初めて分かりましたよ。このマンガの設定は、ものすごく女が辛いということに。これまでは、ある意味で現実より良い世界ではないかなどと、のんびり考えていたのですが。
この世界、女性は政をしながら世継ぎを生まなければいけないわけで、これは正統な世界よりも、よっぽどしんどいのでした。正統世界であれば、多くの女のうちで誰かが世継ぎを産んでくれればいい。多くの女たちも、産めなければまあ仕方がない。それに対してこの世界では、他ならぬ自分が産めなければ、世継ぎはできない。そして政もある。これはしんどいですよ。
さらに恐ろしいのが、現実の世界はこのシチュエーションにどんどん近づいているということです。果たしてこれでいいのでしょうか女性たちよ、と初めて思ってしまった。
というわけでこのマンガは、社会的性と生物学的性の取っ組み合いを描いているのですね。
よしながふみさん、怖い人だなあ。