引き続き、ツイッターによる広報について考えてます。
従来型の広報では、対象を広く想定し、情報をできるだけ多くの人の目に触れさせようとする。受け手の情報選択権は限られていて、とにかく回数を多く流せば、多く返ってくるというモデル。
一方、ツイッターのように、受け手が受け取る情報をかなり厳密に選択できる型のコミュニケーションでは、このモデルは有効ではない。こんなこと、広告業の人にとっては当たり前のことなんだけど、そういう知識のない素人が手探りで広報をやっているのが、お役所というところ。
失敗例として、「東北文化の日」のツイートを挙げたい。今年始まった「東北文化の日」という事業では、11月3日の前後1か月間を中心に、東北地方の美術館・博物館等施設で行われる無料イベント等をまとめて広報していた。予算のない中で、手段としてツイッターを使ってみたというのが新しいんだけど、効果としては失敗と言える。基本的にbotで、このイベントに登録した東北地方の美術館・博物館が提供した大量の広報情報を、毎日自動的に無作為に流していた。問題は、個人にとってはカバーしている地理的範囲と内容範囲が広すぎたことだと思う。ほとんどは受け取る価値のない情報になっていた。
ツイッターでは、というか、受け手が選択できるオンデマンド型の広報では、基本的に「個」対「個」のコミュニケーション構造を守る必要があるんだろう。少なくとも、受け手が必要としない情報を、大量に送りつけてはいけない。では、その構造の中で商売を成立させるには、どんなモデルが有効なんだろう?