シオカゼオトギリ Hypericum iwatelittorale という種が岩手県にあることになっている。岩手県宮古市のトドヶ崎で福田裕(ゆたか)が採集した標本を基に記載されたもので、証拠はその標本しかない。それを現地で再発見しないといけないことになっている。ほんとは去年探さないといけなかったんだけど、遠くて現地に行けなかった。
Robson(2002)によるとトサオトギリ H. tosaense と非常に似ているらしい。高さ30cm前後、茎に2本の筋があり、筋の上に黒点がある。葉の中の腺点は淡色、辺縁内の腺点は黒色かやや赤い。花は直径9-10mm、花弁の中の腺点は淡色、辺縁内の腺点は黒色。花弁の長さは3-4mm。がく片では辺縁内の腺点はほとんどない。
現地で似ているものがあるとすればエゾオトギリ H. yezoense。はっきりした違いは葉の中に黒い腺点があるところ。花の直径は15-20mm。花弁の長さは4-6mm。シオカゼの茎が木化するのに対してエゾは木化しない。
幸いにして標本の採集地がトドヶ崎という非常に限定的な場所なので、まずはそこへ行けば良いのだけれど、近くまで行ける車道がなくて、だいぶ歩かないといけないのが弱点。8月になったら行けるかなあ。