NHK仙台放送局が制作している「被災地からの声」という優れたテレビ番組がある。東北地方では毎週木曜日のお昼に放送されている。20分間、被災地に暮らす人たちの肉声と表情を撮って伝えている。ただ淡々と撮っているように見えるけれど、それがどれだけ難しいかは想像がつく。原発事故の被害を受け続けている人たちの声も、そのまま伝えている。
毎回のキャスター津田さんのコメントには誠意と覚悟を感じる。正面から向き合う覚悟というか。言わなければいけないことをちゃんと言おうと腹を決めている人の、率直で真剣な言葉。
http://www.nhk.or.jp/sendai/hisaichikara/
ウェブサイトの「キャスター津田より」というコーナーには、毎回の番組内容が詳細にテキスト化されてアップロードされる。テキストでは、そこで話されている方言の感じや顔の表情は全く伝わらないけれど、主張はよく分かる。津田さんの言葉も胸に刺さる。でも過去のアーカイブはなくて、順次削除されていく。なぜ保存されないのかは分からない。
ウェブサイトに寄せられるメッセージを読むと、「ぜひ全国放送を」という声がたくさんある。全国放送では毎月11日の夕方に一部が放送されているらしいけれど、全く足りないだろう。全てをアーカイブ化して、全国で見られるようにする価値のある、優れた番組だと思う。全国にはこういうものを見たがらない人の方が多い、ということは容易に想像がつくけれど。