この冬はここまで記録的な暖冬である。頻度としては10年に一度くらいかな? とりあえず記録しておこう。辺りの地面にほとんど雪がない。側溝にわずかに融け残った塊があるくらい。この時期、庭の枯れ草が雪で隠れていない冬は珍しい。やはり、暖かいと冬を過ごすのも気が楽。
今朝は、日曜日の体験教室「みずきだんご」のために、朝早くから庭のミズキの大枝(長さ2mくらい)を5本、鋸で伐って、車に積んで博物館へ持って行った。木の高さは4mくらいになって、枝ぶりもそれらしくなり、大枝を伐るにもためらわずにすむようになった。とにかく成長が速いので、すぐにまた伸びてくる。
切った枝の先を見ると、赤い芽鱗でガッチリと覆われているはずの冬芽が少しだけほころびかけており、ものすごく驚いた。急に暖かくなりすぎるのも、やっぱり色々と問題が起きるだろうな。
小正月に、葉の落ちた木の枝に色とりどりの餅や団子などを飾り付ける「餅花」や「繭玉飾り」の風習は広くあるようだけれど、それにミズキを使うのは、平地が冷温帯に属している東北地方と、長野県と新潟県の一部だけなのではないだろうか。こういう風習に使われる材料はとにかく身近なものと決まっている。飾りの枝を採るために、真冬にわざわざ雪山に登ったりはしない。この厳冬期にミズキを手に入れられるということは、家の裏山にミズキが生えているような環境ということなのだ。関東地方では桑や柳、榎、桜などを使うらしい。
ちなみに関東で行う「どんと焼き」は、こちらでは見られない。枝につけた団子を後で食べたりもしない。