反省を込めて、2015年の振り返り。

東日本大震災が起きたことで始まった仕事が二種類あって、一つは津波被災文化財の修復関連の仕事。被災標本の修復作業自体はデータベース作りまでほとんど終わっているんだけど、2014年には「布教」プロジェクトが始まって、それが続いている。2014年にガイドブックの編集を終えたと思ったら今年はその改訂版を作る仕事があり、しかし忙しすぎて手を付けたのは今年の12月も下旬になってからという。
もう一つは津波跡地の植物相調査で、調査は3年間やったので一区切り。結果をどこかにまとめなければならない。で、来年3月に日本生態学会が出す予定の震災と生態系に関する英語の専門書(Springer)と日本語の普及書(文一)の中に、津波跡地の湿地性植物相というテーマで投稿させてもらえることになって、半分くらいは出せそう。だけどこれがすごく大変で、夏から秋はひいひい言いながら書いていた。残りは来年絶対出さないといけない。
加えて、この二つのテーマが合体したような国際シンポが2014年9月に仙台で開催されており、本当は今年11月までにそのまとめの原稿を書かなくてはならなかったんだけどこれが、全く1字も進んでない。というところで今年が終わってしまうのですね。

2014年からは、震災関係の仕事と博物館としての仕事の両方が常に並行していて、定常オーバーフロー状態。たぶん来年くらいまではそれが続くんでしょう。

県植物誌のための調査はもう7年目で、そろそろまとめなければならず、6月にやっと叩き台の仮チェックリストを作った。これから正念場。
あと、2014年あたりから県の環境部局関係の委員の仕事が急増して、2015年はアセス審査会が8回、アセスがらみのヒアリングが5回、環境審議会と部会が5回、あと他の委員会も、という感じでこれもなかなか。本当はシカの影響調査にもう少し注力したいところ。

<1月>
津波被災文化財プロジェクトによるガイドブック『安定化処理』の校正を前年末ギリギリになんとか納め、年明けに印刷屋さんが印刷。で、上旬は執筆者への御礼や送付先リストの作成などなど。東京へ出かけてTIでヤマガラシ属の標本調査、科博でシンポジウム聴講。下旬、仙台空港経由で太宰府へ。人生二度目の九州上陸。九博での被災文化財の会議に出席して発表。宮崎へ移動して宮崎県総合博物館で安定化処理ワークショップの講師。月末、つくばでヤマガラシ属の標本調査。
<2月>
上旬、大阪自然史で西日本自然史ネットワークの会合に参加、姫路で兵庫歴博の被災文化財展と姫路城を見て帰る。中旬、岩手大学ヤマガラシ属の標本調査。下旬、学芸員ネットワーク岩手の研修会幹事。いわて自然史展示室に被災文化財の展示コーナーを作成。ひなたの歯の手術。月末、滝沢市外来種の講演。
<3月>
上旬、福島大学分類学会大会でヤマガラシ属の発表。13年ぶりくらいに分類学会大会に出た。中旬、小石川でミチノククワガタの標本調査。科博・海老原先生のシダ植物講習会。下旬、被災文化財展の資料返却。仙台でDABの会議に出ようとして会場に辿り着けず青葉山をさまよい、45分くらい遅刻する。
<4月>
上旬、新年度の立ち上げ。中旬、植物誌調査会の総会など。宮古でマルミノシバナの移植。下旬、職場の個人用PCの入れ替え作業。
<5月>
中旬、EINET市民講座(スタッフ)。下旬、職場の有期雇用職員の就業規程変更問題が勃発。月末、住田町で自然観察会講師。
<6月>
中旬、労組執行委員として就業規程変更問題で職場意見のとりまとめなどに忙殺される。下旬、植物誌調査会の調査で採集した標本の中からフォーリーガヤが見つかる(東北地方初)。1年くらい懸案だった県の植物相チェックリストをやっと作って調査会会員に配布。金ケ崎町で自然観察会講師。月末、館の自然観察会。
<7月>
上旬、フォーリーガヤ再調査。岩大で学芸員課程の実習講師2回。中旬、春子谷地の調査。下旬、真昼岳の調査(大雨で大荒れ)。早池峰山のシカ食痕調査。
<8月>
上旬、春子谷地のオオハンゴンソウ駆除活動に参加。陸前高田学校で講師。長野県から名古屋へ旅行、飯田市美博と愛知県美などで展覧会を見たり。中旬、早池峰山のシカ食痕調査。下旬、岩手山調査(日帰り)。遠野市でシカ食痕調査。陸前高田へ行って安定化処理WSの講師。博物館学生実習の講師。夜沼の調査に同行。文一(生態学会)本の原稿提出。月末、S-netの研修会で上野へ。ついでにDABの打ち合わせ。
<9月>
燻蒸準備。上旬、Springer(生態学会)本への投稿。甲府へ行ってシカ影響シンポジウム聴講。帰りにTIとTUSでフォーリーガヤの標本調査。岩手山調査(日帰り)。中旬、科博コラボミュージアム展示準備。フォーリーガヤの報文投稿。下旬、科博コラボミュージアム展示開幕。館の自然観察会。
<10月>
上旬、博物館まつり。秋田市へ日帰り旅行、県博と千秋美術館と県美をはしご。中旬、科博・海老原先生のシダ講習会。下旬、花巻市外来種の講演。月末、科博・北山先生の海藻の講演会。
<11月>
上旬、科博コラボミュージアム展示閉幕・撤収。Springer本の投稿論文の修正。下旬、押し葉標本展の展示準備。
<12月>
上旬、北海道博物館で安定化処理WSの講師。EINET市民講座の幹事。中旬、東北植物研究会の大会・講演会の会場準備、講演も少し。Springer本の修正稿の提出。職場労働者代表として就業規程変更に関する意見提出。下旬、『安定化処理』ガイドブックの改訂編集作業を開始、年明け入稿予定。県立大学で春子谷地の講演。

<積み残し>
DAB原稿はまだ1字も書いていない。。。〆切は11月だった。。。