こちらでは、古いため池には大抵「○○堤」という名がついている。ため池を指して、一般名詞として「堤」という言葉を使ったりもする。甲州でも「信玄堤」ってあるけど、あれは河川堤防のことで、こちらで言う「堤」とは違いますね。私は「堤」と聞いて、ため池の周りの土手のことを言っているのだと思っていたのだけど、シニフィエとしてどうも内側の池の部分も含んでいるようだ。
ため池は人が作ったものだ。でも実際には土手を築くのであって、内側の池はその結果にすぎない。だから、作った土手の方に名前をつけた、ということなんじゃないかなー、と推測している。「ため池」というと中身の池が主役って感じで、外の皮のことはあまり考えない。中身と皮は本当は不分離だけど、意識していなかった皮の方を主役と見てみると、その反転がなんとなく面白く感じられる。
ただしネイティヴにとっての「堤」のシニフィエがどんなものなのか私には分からないので、上の話は全部推測。