10時から昼まで、中学生の来館学習。女の子2人。とっても真面目で熱心で、好印象。昨日書いた質問について「これは超難問なんだよ、なんでか分かる?」「昔のデータがないから・・・」なんだ、お分かりではないですか。そう、データがない。「じゃあね、昔って言うと、いつっていうイメージ?」これは難しかったらしい。「明治時代とか・・・江戸時代とか?」なるほど。
藩の家老の日誌などの文書に、狩の獲物や害鳥・害獣についての記述が残っており、個体数は分からないながらも、トキやコウノトリ、ツルの類、オオカミなんかが江戸時代のこの地方にはいっぱいいたということは推定できる、という話をする。あと、絶滅危惧種のことを考える場合は、そんなに昔ではなくて、戦後や高度経済成長期以前の状態と比較することが多い、という話をした。「第二次世界大戦が終わった年」も「高度経済成長」も知らなかったので、もっと易しくしたけど。
あと、二次林の話とか野草草原の話、指定希少野生動植物を採ると罰せられる話などなど、なんだかんだで1時間半も話をして、あとは展示を見てもらうことにしてお別れ。
答えるのが難しかった質問に、こういうのもあった。「このままいくと、数十年後、野生動物がまったくいなくなってしまうということはあるのでしょうか?」そんなことにならないように、今の大人たちのやるべき仕事があるんですよね。そして実際に世の中は変わってきてもいる。でもまだ中学生くらいの子どもにとって印象に残るのは、「このままでは危ない」というセンセーショナルな文句ばかりなのだろう、と想像したりする。
ちなみに今日は別の中学生グループも来ることになっていたのに約束の時間になっても来ず、学校に連絡しても行先がつかめず、担当者が心配していたら2時間後にやっと到着、いわく「道を間違えてしまって、歩いてきました」。確かに当館は辺鄙なところにありますが、こんな事件は初めてです。