午後は標本情報公開に関する研究会。参加は3回目。当館標本の登録情報はもともとデジタルデータベース化されている。しかも、総合博物館の全資料データベースの一部であるために、門・綱から入力されている周到さ。ハードルは高くない。目録の出ている部分くらいは、公開データベースに登録しても悪いことはないと思う。少なくともアピールにはなる。
標本の有用性について勉強になる講演2つ。奥田さんのお話はid:soishidaさんが書かれているので詳細は略。布施さんのお話には、標本の有用性のアピールだけでなくキュレーターの立場からのコメントがきちんと含まれていて、改めて標本を「守る」責任を認識させられた。
全体として、恐ろしいほどバランスの取れた研究会で。こういう会に参加する機会に恵まれて、有難いことです。


以前から、生態学会で「標本のチカラ」を研究者と博物館関係者にアピールしたいと考えている。標本がどんなに有用な情報源であるかを、例えば「博物館の生態学」自由集会で。それで「博物館に保管されている標本を使って面白い生態学研究をした例」をいろいろ集めようと思って、少しずつレビューをしたりしていた。標本を使った研究は、分類学ならば極めて普通だけど、生態学では多くない。奥田さんのお話はそういう意味で、まさにど真ん中なのでした。もう新潟で発表済みだそうですが・・・。
何にせよ、もう少し事例を集めたいし、発表して下さる方も何人か探したい。問題は、該当するような面白い事例のうち、まだ生態学会員の耳目を集めていないような新鮮な研究の情報は、なかなか入ってこないということ。我が研究こそ!っていう方がいらっしゃると嬉しいのですが。と書いてみたり。