センス・オブ・ワンダー(略してSoW)って何なのか、という問いは大変難しいのですけれど、「自分を取り巻く世界がそれまでと違って見える感覚&それによって呼び起こされる感興」と言い換えてみましょう。世界が違って見えるだけでもかなり面白いんですが、それが紛れもない事実であるという衝撃が、感興をいっそう増すのです。とすれば「事実であることを示す作業」はより大きなSoWへの道程である、と言うか、それこそが科学の営為そのものだと言っても間違いではないと私は思っているわけです。
でも、実はこう言っているそばから引っかかりを覚えてることもこっそり白状します。ほんとのほんとは「本当のことなんて何もない」って知っているから。ある論理体系の中において「より事実らしく見えること」を探しているだけだから。リアリティを追求しきれない心情の裏には、そんな不可知論が隠れてませんか?