「楽園の泉」読了。すごく面白かった。けど想像してたのとはちょっと違った。
これは何が主題なんだろう・・・。軌道エレベータのアイデアとヴィジョン、もろもろの技術的困難との闘い、それだけでも十分楽しめる。でも、それを描くだけなら、スターグライダーはほとんど関係がない。宗教が否定されることが必要なのかどうか、あるいはこれくらいで否定されるものなのかどうか、解説者も疑問を呈しているとおりだ。ましてや、タイトルにもなっている「楽園の泉」は、もっと関係がないよな・・・。大きなヴィジョンを実現する人間、という意味では関係があるのか。
技術者と科学者はここでも理性的で楽観的でひたむきだ。ひとりだけ困ったちゃんを挙げるとすれば、ゴールドバーグ博士だろうか。事の真相は今ひとつはっきりしないけれど。
長期気候変動について触れられている箇所で、二酸化炭素による地球温暖化について一言も言及されないことが、逆にこの小説の書かれた時代を思い出させる。
次は「幼年期の終り」。