クマの先生のおっしゃった言葉が頭の中で消えない。「昔は、農業は野生動物との闘いだったんです。だけど動物がいなくなって数十年の間に、みんな闘い方を忘れてしまった。だから動物が戻ってきても、闘い方が分からない。」
東北地方では、明治時代にシカとイノシシとオオカミを絶滅させた。もちろんトキとニホンカワウソも一緒に。100年は、人々から記憶が消えるのに十分な時間だ。野生動物は畑を狙うもの、畑は動物から守るもの、という記憶が。本当に先生の言うとおりだと、しみじみ思ったのです。