試験的に、講演会の記録動画公開をしてみたけれど、率直に言えばやはりコストに引き合わないので、もうやめようと思う。再生回数は、多くてもせいぜい40回が良いところ。録画準備や編集、アップロード等に費やす時間に対して、見る人が少なすぎる。不具合があればさらに修正に時間を取られる。こちらにとっては「おまけサービス」に過ぎないが、見る側にしたら当然、質の良いものを見たいと思う。その要望に応じようとすれば、機材から準備から、とうてい引き合わない。館にデジタルビデオカメラはないので、公開したのは自分で買ったカメラで撮ったもの。質の悪い動画を公開するな、と言われたら、公開を止めるしかない。
よその博物館でustとかやっているのも、視聴しているのはせいぜい10人くらいのはずだ。そのサービスが将来の来館者数につながるかと考えたら、まずつながらない。動画を見たいという人は、基本的にその場を動きたくない人なのだから。メリットはまずないと言っていい。だからまあ、余剰サービスですよね。エネルギーが余っているならやればいい。
そしてやっぱり講演会は「その場にいてなんぼ」なんですよ。どうしても聴きたければ盛岡まで来て、入館者数に貢献してほしい。私は、どうしても聴きたい講演があれば東京・大阪まででも行っています。自分で企画するなら、そのくらい価値のあるものをやりたいなあ、と思います。