もっと後の課題になると思うけれど、自然史標本関係者が真面目に考えるべきことの一つとして「ラベルのない標本も捨てずに救うべきか」という問いがあると思う。付け加えるとこれは、優先順位の低い資料の処理を後回しにするだけで、いずれは全て救うのだ、という「文化財」界の話ではない。ラベルのない標本は捨てても構わないというのが常識となっている「自然史」界での話。
ラベルがなくても重要性が分かる標本というのは、全く無いわけじゃない。それが悩みのもと。たぶん冷徹に「捨てて良い、取っておいても仕方ない」と言う人と、「いやちょっと待て」と言う人に分かれるのではないだろうか。
捨てるのはいつでもできるからとりあえず冷凍保存。というのが妥当な解だろうけど、冷凍庫が手に入らないことが多いのが問題なのだ。一概には言えない、というのが正解か。やはり個別に判断していくしかないだろうか。