青松島でヤブコウジを久しぶりに見て、そう言えば岩手では滅多にヤブコウジを見ないなあと思って『岩手県植物誌』(1970)を読んでみた。そしたら、ヤブコウジ奥羽山脈沿いでは盛岡くらいまで分布しているのに、太平洋側には記録がほとんどないということが分かった。太平洋側で植物誌に書いてあるのは陸前高田市だけ。こういう分布を形成する要因は、気温や降水量や降雪量だとは思えないわけだけど、じゃあ何が原因かというと、全く分からない。こういう不思議な分布パターンを示す種には、他にキブシなどがある。