今年、海岸植物調査をたくさんやって気づいた。岩手県で常緑広葉樹がたくさん生えているのは、花崗岩上のアカマツ林ばかりであるということに(例外は三貫島のタブノキ林だけ。ここはタブノキが主体でアカマツは見られない)。
これはちょっと直感に反する(ような気がする)。西日本で見られるような、落葉広葉樹林(例えばアカシデ・イヌシデ・コナラなど)から常緑広葉樹林(シイ・カシ類)への遷移は見られない。代わりに、アカマツ林からタブノキ林への遷移が観察される。
これは、岩手県には高木になる常緑広葉樹がタブノキくらいしかない、ということによるのかもしれない。つまり、タブノキの性質が大きく影響しているのかも。
高木層はアカマツで、低木層に常緑樹が生えている林もたくさんあって、その成立過程もちょっと不思議な気がする。アカマツ林に常緑樹が入り込んできたと考えるのが自然なのか、それとも、常緑樹林を一度伐ってアカマツ林になったところにまた常緑樹が生えてきたのか。