時々、生物のサンプリングの依頼が来ます。「○○のDNAを調べたいのでちょこっと葉を採って送ってくれ」みたいなやつです。そういう依頼は引き受けないのが基本姿勢です。なぜかと言うと、第一に、安直過ぎる研究方法に腹が立つから。第二に、大変な作業のわりにメリットが全くないから。だいたいにおいて、そういう依頼をしてくる人は、岩手県の広さを全然分かっていません。採りに行くのに片道3時間かかるんだけど、そのお返しに何をしてくれるの?
というのが基本姿勢ですが、例外的に引き受ける場合が(実はけっこう)あります。それは、依頼人が研究の問題意識をしっかり説明してくれて、自分もその問題に興味を惹かれ、解明に力を貸したいと思った時です。そこには自分の興味を満足させるというメリットがあるからです。あと「ついで」があった時も引き受けることができます。だから、サンプリングの依頼はできるだけ「面白そう」と思わせるのが吉。
一方「サンプリングに行きたいから分布情報をくれ」という依頼には、現地を案内することも含めて、全面的に協力しています。研究する人には、特に初めての人には、やっぱり現地を見てほしい。現地を見ると、いろいろなことが分かると思うので。ろくに見もせず、考えもせずに調べてもね・・・。