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「スフィンクス」(萩尾望都)。 「テーマはこれこれで、それをこんな風に描いていて、その技がどうこう」みたいな表層的な分析ができない。なんだかもう、すごいところにいる。言葉では表現しにくい世界があって、しみじみと繰り返し味わって楽しむ。萩尾望…

のだめの最終巻も少し前に読んだんだけど、なんというか、肩透かしを喰らったような感じ。ああ、つっこみたい。あんたの悩みは、そんなことで片付くもんだったのかよ!心配して損したよ。これだから天才はイヤなんだ。 最後の最後に初めて独白が描かれ、ベー…

『ミュージアムの学びをデザインする』(木下周一著・株式会社ぎょうせい)をアマゾンで購入。アマゾンですごく誉めている人がいたので買ってみた。後でよく見たら、誉めていたのは三橋さんだった。 パラパラと見ると、なるほどこれは勉強になる。自分だけじ…

『動物たちの反乱』(河合雅雄・林良博編著、PHPサイエンス・ワールド新書)を読み途中。ワイルドライフ・マネジメント本の中で、「里山」に強く焦点を当てているところが特徴的。兵庫県の話は知らなかったことが多くて面白い。 この新書を手に取ったのは初…

今巻の史朗さんはやけに暗かったなあ。

久々に本屋に行ったら「大奥」4巻が出てましたよー。うふふ。 まさか綱吉さんの若い頃のほとんどを回想で済ませてしまうとは予想してなかった。すんごく残酷な綱吉さんを予測していたのに、全然そうじゃなくて、なんて哀れな公方さんなんでしょうか。そして…

のだめ最新巻。思えば遠くへ来たもんだ・・・。 内面のないべーべちゃんのままでどこまで行くのか、きっと最後まで行くんだろう。きっと永遠に理解不能な動物のままなんだろう。もしこんな人間が近くにいたなら、いくらすごい天才でも、きっと頭をはたいて「…

必要があって、自宅にあった「北に生きるシカたち」(高槻成紀著、どうぶつ社)を再読したら、記憶がおぼろげながらよみがえった。大学に入る前か入ってすぐか、この本を読んですごく感動したんだった。単純な話だけれど、たしか当時、進路を決めるのに大き…

岩波『科学』5月号に永益さんが「大学博物館からの提案 標本収集と分類,分類学者養成」。 標本収集については、新しい切り口はない(みんな同じことしか言わない)ということが分かった。でもそこから、標本の同定と分類が必要であることをきちんと言えるの…

「鴨川ホルモー」(万城目学、角川文庫)読了。 懐かしくておもしろかったけど。他のもどんどん読むにしては、ちょっと軽いなあ。 物語の骨格は早々に先が読めてしまうので、面白いのは道具立てと、人物描写の巧みさと、それから文体なんですが。文体は独特…

新幹線車中で、岩波『科学』に連載されている伊東乾さんの「物理の響き こころのひびき ―音楽への認知的アプローチ」をまとめ読み。たまたま別のネット上コラムでお名前を知ったんですが、すごく面白いですよね。こういう本物の教養人らしさって、今は滅多に…

雑誌『科学』(岩波書店)Vol.79 No.4のp.420〜に座談会「博物館の未来―自然系博物館から考える」。斎藤靖二さんと加藤真さんと科博の小川義和さん。偶然目に留まったこの記事の顔ぶれに「おっ」と思うのは当然だろう。期待にたがわず、9ページとコンパクト…

「ベガーズ・イン・スペイン」(ナンシー・クレス、ハヤカワSF文庫)読了。表題作と「密告者」が面白かった。全体にちょっと理屈っぽい気がするなあ。文章はもう少しすっきりしてる方が好み。とりあえず長篇も読んでみよう。

「消えた少年たち 上・下」(オーソン・スコット・カード、ハヤカワSF文庫)を一気読みしました。すごく面白くてノリノリで読んでたのに、最後の最後に非情で冷徹な出来事が起きてしまい、最悪の展開に。読後、思い切り落ち込みました。ここまでしなくても、…

友達に借りた「竹光侍」(松本大洋・永福一成)を5巻まで読了。途中からどんどん惹き込まれた。すごい〜。 「もやし●●」は今ひとつ。やっぱギャグ漫画に適性がないとだめなんだ。

とあるハウツー本を読んだ。タイトルは「(ほにゃほにゃ)コーディネート術」という。目次はすごく面白かったので通販で買ってみた。中を読んでみたら,なんとショックなことに対談形式だった。よくよく見たら帯にも「ノウハウを語る。」ってあったけど。ハ…

現代小説のくせに,女性の登場人物がいまだに「〜だわよ」とか「するべきよ」とか「違うもん」とか喋ってるのを読むとイラッと来るよね。来ませんか。 それでそういう小説だと大抵は,女性の登場人物は妙に子どもっぽかったり,我儘だったりするのよね。ほん…

「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」(円城塔)(『虚構機関』創元SF文庫所収)を読みました。 テキストの手触りが,何が起きるかよりどう語るかが重要という点が,小説より詩に近い。幻想詩大好き。リズムも複雑で素敵に面白い。声に出して…

「エンジン・サマー」(ジョン・クロウリー,扶桑社ミステリー文庫)読了。面白いし,大変美しい。けど,「読み進むにつれて明らかになること」の分量が,最終的にすごく少なくて,なんか物足りない。もうちょっと世界の全貌が見たかったなあ。 しかし「ブー…

「大奥」(よしながふみ)4巻を読むために、1巻から読み直しました。忘れちゃってたから。 う〜むそうかそういう構造だったか。綱吉さんいい味出してるなあ。これからどんな残酷なことになるかが楽しみだわ。でもやっぱり三代後に、あのかっこいい吉宗さんが…

「TAP」読み終わった。女性の一人称視点かー。「理解」っていうよりは「あなたの人生の物語」みたいな。

イーガン「TAP」(山岸真 編訳、河出書房新社 奇想コレクション)読み途中です。頭から読んでいって、んん〜なるほどね〜でもイマイチなんか物足りない、とか思っていたところへ、 「銀炎」。これはすごい。ガツンと来た。このテーマをこんなにストレートに…

岡惠介著「視えざる森の暮らし 北上山地・村の民俗生態誌」(大河書房)を読み途中.これはすごい本ですね.知りたかったことが細部まで分かる.多くのデータと,その信頼性を確保する具体的な実地調査,というか,経験というか. 追記.初めの予想に反して…

「きのう何食べた?」の2巻が出てたので買いました.「大奥」4巻は12月24日発売ですってよ奥さん! や,他にも6冊の本と4冊の漫画を買いました.いつ読むんだ?

コニー・ウィリス「マーブル・アーチの風」(大森望訳,早川書房プラチナ・コレクション).新幹線で読了.面白かったー. あのドタバタ感がひとつの持ち味で,「ひいらぎ飾ろう」はそれがハマっているが,表題作ではちょっとめまぐるしすぎる感じ. 「イン…

ジュンパ・ラヒリ「見知らぬ場所」(小川高義訳,新潮クレスト・ブックス)読み途中.うん,確かに面白いけど,こういう心理小説は続けて読むと飽きるなあ.と思った時点で,純文学の一部をちゃんと楽しめなくなっている自分に気づく.人の心の分からない人…

「新しい太陽のウールス」を買ったんですが、先に四部作を再読すべきか、それともいきなり行くかで迷っていて、まだ手をつけられずにいます。2年前に読んだ時は、4巻目ともなると消化不良気味で、あまり記憶に残っていない。たぶん再読すべきなんだろうなー…

だいぶ前に「深海のYrr」を上・中・下と読み終わってたんでした.大事な登場人物たちが,あっさりとどんどん殺されていくのでびっくりする.こんなの初めて読んだ.主人公と言える2人は男性だけど,話の鍵を握っているのは彼らではなく,みんな女性で,ラス…

「生物科学」60(1)の特集「女性研究者が語る〜」を拾い読み。23人の多様な「女性」研究者が、主に若者に向けて、それぞれ思うことを書いている。一番気になった文章は、やはり仕事がらみで、蔭山麻里子さん「博物館のバウチャー」。すごい。知らなかったなあ…

「深海のYrr」(フランク・シェッツィング、ハヤカワ文庫)の上巻だけを、ふとした気の迷いで買ってしまい、読み始めた。これは微妙。面白いような気もするし、先が思いやられるような気もするし・・・。とか言いつつ、やめられずに夜明けを迎えたんだけど。