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同僚によれば、大きな展示ケースのガラスが割れたとのこと。重文は無事だったとのこと。天井の破損はあちこち。 中心部では電気が復旧。水道は使えるところと使えないところがある。

企画集会「博物館の生態学7」は参加者約80名。自由集会「多様性保全施策の実現」は参加者約100名でした。 どの講演も、勉強になりすぎて面白すぎて、シナプスがびしばしと刺激され続けました。インプット過多。これが消化されてアウトプットとして出てくる…

しかし、神奈川方式もまた、岩手では実現が不可能なのだ。「都会」には豊富にある人材が、「地方」にはない。どちらの方式も真似できないので、なんとか実現可能な方法を手探りしていくしかない。

現時点での総括。 「都会」である神奈川県においては、既存の博物館スタッフと市民ボランティアで植物誌を作り、さらに改訂を実現した。神奈川方式では、行政の存在感は非常に薄く、通常の博物館活動の延長上に植物誌がある、という感じがする。 一方、「田…

しかし高知県方式は、高度な政治的手腕とリーダーシップによって実現した稀有な事例だったということが分かった。ものすごい額のお金が、あるべき形でしっかりと支出されていた。それが分かって良かった。それ以外の部分では真似すべきことがたくさんあるの…

試験的に、講演会の記録動画公開をしてみたけれど、率直に言えばやはりコストに引き合わないので、もうやめようと思う。再生回数は、多くてもせいぜい40回が良いところ。録画準備や編集、アップロード等に費やす時間に対して、見る人が少なすぎる。不具合が…

以前、ちょっとしたワークショップに参加した時、展示の企画として、同一規格の小さい展示ユニットを日本中のあちこちに設置する、というようなアイデアを出した人がいた。どこにいても同じものが見られる、みたいなイメージ。それを聞いて私が感じたのは、…

最後のおつとめで読んだ、しらかわさんの原稿は色々と衝撃。一番は、「ファシリテータは学芸員の職能である」と断言しているところ。(2ヵ月後に刊行される予定です。読んで下さい。) 編集としてはもちろんそこに突っ込む気はないけど、個人としては、うー…

展示更新に使える写真を探して、30年前の開館当初の植物園を撮影したポジをあれこれ見ていた。30年経っても褪色していないポジのもちの良さにも感心したけど、それより、なんてきれいな植物園だったんだろう。今はもう消えてしまった草花が、たくさんたくさ…

アンケート調査などで、職種について訊かれると、う〜んと考え込んでしまう。「研究職」も「教育職」も、どっちもしっくり来ない。多くの場合、むしろ「技能職」が実態に近いのではないだろうか。

今準備しているのは、展示更新というか、常設展示の「美化」と称する作業。中身は変えないで、見た目をきれいにしましょうっていう。つまりは予算制約下における苦肉の策。全館的に、色あせた写真を取り替えたり、スイッチ盤を新しくしたり、アナログ映像を…

時々、植物好きの一般の方から、標本庫を図書館みたいに公開してほしい、と言われる。言わんとするところは、標本庫が毎日開いていて、予約なしでも見たいと思った時に標本が見られるような仕組みにしてほしい、という意味。 それは、様々な理由で実現不可能…

パッチワークこて、意外と使える。もう少し、こて部分が小さければ、もっと良いのに。保護カバーがちゃんと付いているので、火傷防止に良い。温度はばっちり。

「パッチワークこて」が届いた。予想の3割増しにでかい(笑)。写真見て買う通販の弱点だなあ。こての部分の長さが3cmもあった。まあでも、使えないことはないかな?試しにやってみよう。

今、博物館の展示手法の潮流は「とにかく分かりやすいこと」へ向かって流れている。というか、お客さんの多くが「分かりやすいこと」を第一に求めているので、そうならざるを得ない。お客さんは展示を見て、疑問に思ったことの答えがそこに書いていないと、…

標本のラミントンテープを台紙に貼り付けるための「こて」。館では、日本唯一の某メーカの製品を、もう20年以上も使っている。コード内部が断線しかかっているのだろう、ときどき通電しないことがある。新しいのが欲しいんだけど、2万円も払う気にはなれない…

世の中のけっこうな割合の人が、展示室の監視員を「学芸員」だと思ってるよね。「学芸員」が何してるかって、やっぱイメージわかないんだろうなあ。 よく言われるのはね、「いいお仕事ですね。」っていうセリフ。どういうことを想定して「いいお仕事」って言…

引き続き上野。午前中は「大ほにゅ展」を見る。平日なのになんだこの人の多さ。。。大学生くらいの若者、遠足や修学旅行の子どもたちも大勢いた。 剥製展なのかと思っていたけど、哺乳類の進化や、日本の小型哺乳類の生態についての展示もあって、いろいろと…

ものすごく当たり前のことなんですが。ふつうの人は、博物館や美術館に行くことを娯楽や趣味の一つとして位置づけてる。お客さんは遊ぶために博物館に来ているのに、こっちは仕事だというところに、どうにも矛盾を感じてしまう。最初から激しくテンションが…

7日の日誌に佐久間さんが下さったコメントを読んで。 おそらく佐久間さんが「現状肯定的」と読まれた部分が、私には深い諦念と読めました。1つの理想があって、そこに近づこうとする立場からすれば、現状肯定は物足りなく感じられるのかなと思います。 「博…

・つまり、異なる地域であれば、博物館のあり方も異なるのが自然、ということではないだろうか。アマチュアの力がほとんど失われてしまっているのであれば、もう一度、70年代のつもりでやり直せばいいわけだ。 ・博物館業界の集まりに出ると、今や「生き残る…

ところで、本稿は博物館の危機にあたって何を発言すべきか、ということから書き起こしたので、市民や地域社会という視点を、博物館の生き残りのための方便としてもち出したと感じられる方がいるかもしれないが、それは大きな誤解である。 地域についての自然…

博物館にいると、まず絶対に出会うのが、妄想系のレファレンス。 なぜか年配の男性が圧倒的に多い。ジャンルは種々様々なんだけど、まずは歴史・考古学分野が多い。生物分野はどちらかというと珍しく、環境問題系は増えている。 ある面白いアイデアを思いつ…

生物多様性に関して博物館ができることはたくさんたくさんあるけど、生物多様性は博物館に何をしてくれるの?っていうテーマはどうだろうかね。冗談だけど。 標本がいっぱい入る標本棚がほしいなあ。10年間要求し続けても予算がついてないんだけど、どうした…

企画集会はいつもどおり、自分自身にとって面白かったし勉強になったしやって良かったです。内容についてはいろいろなところで報告の機会があるでしょう。 別の視点から書くと、今回、ものすごく円滑な集会運営に感動しました。主体的に関わって下さる人がた…

標本情報の研究会。QGISの講習。やり方が分からなかったところを、ササッと教えてもらえちゃった。人に教えてもらえるって、なんと楽ちん。 懇親会では、西日本の大先輩の方々に、植物誌のことについて、いろいろアドヴァイスをもらえちゃった。なんと素晴ら…

モノには、「雄弁なモノ」と「そうでもないモノ」がある。展覧会では「雄弁なモノ」をいかに多く集めて、自ら語らせることができるか、というのが展示を成功させるための最も重要なポイントになる。これには知識と常識と感性が要る。けれども世の中にそうそ…

博物館は「真の学びの場」を目指すべきだ、と言う人がいる。一方で、生涯学習なんかに勤しめる人は今はごくごく少ないのだから、そんなのんびりしたことを言っていては潰される、と言う人がいる。この状況をなんとか生き延びさえすれば、いつか本当の学びが…

生態学者にもすぐにできる地域社会貢献。 研究対象である生物を、研究後にきれいな標本にして、ラベルとリストを付けてどこかの標本庫に寄贈しましょう。 できることなら、調査地に生えている植物の標本を作って、フロラを記述し、地元の博物館に寄贈しまし…

『博物館研究』10月号の山崎晃司さんの文章が、また絶妙なところを衝いていて刺激的でした。これの続編のような内容ですが、もっと歯切れが良い感じがしました。初めて知ったんだけど、うちと学芸員の構成が似ています。だから挙げられる問題に共通点が多い…